●ジュニアゴルファーとのふれあい
昨年の末に、埼玉県のカゴハラゴルフクラブという練習場の主催でジュニアゴルフレッスン会を行った。私としてもこういう形でジュニアとふれあうのは、昨年震災に見舞われた新潟県の小千谷スポーツ少年団へのレッスン会を何度か行なったことはあるがあまり経験がなく、正直なところ「期待に応えられるか?」と少し心配になっていた。
間をあけて2日間ほどレッスン会は行われ、どうなることかと心配したのだが、集まってくれたジュニアたちと関係者の熱意に支えられ、あっという間に予定された時間は過ぎてしまった。
年末29日の会は何と雪に見舞われて、カゴハラゴルフご自慢のアプローチ場が使えなくなってしまった。もともと子供たちの体力集中力を考慮し、打席とアプローチ場で1時間ずつの予定だったが、子供たちは雪の降りしきる中飽きることなく打席で打ち続けてくれた。
●ゴルフのもうひとつの価値
レッスン会だけでなく、27日に高根CCで行われた小中学生対象のゴルフ大会も視察した。
この大会はカゴハラゴルフの奥冨社長の旗揚げで行われたのだが、試合当日は朝の7時前から埼玉県・正智高校ゴルフ部の生徒さんや日本シニアオープン・ベストアマの神戸誠さん、埼玉県プロ会の方々にJGTOツアーでも活躍している高根CC所属の久保勝美プロなどが、皆ボランティアでこの大会を成功させるために動いているのには驚いた。
特に神戸さんには感服した。朝の7時半から11時近くまで1番ホールのティ横に立ち、試合に参加した全てのドローに対し、マーカー指定やローカルルールの説明などを実に丁寧かつ完璧に行なったのだ。相手は中学生の部から小学校低学年の部まであるのだが、相手が誰であろうと一切手抜きはせず、厳しい寒さの中親切丁寧に語りかける様は競技委員という枠を越えていたのは間違いない。神戸さんの日頃からのゴルフへの思いと姿勢を見た気がする。これ程のことを損得勘定ではなく、あたり前のようにやってのける精神というものが、72ホール1打1打積み上げていくゴルフを知っている方の凄さなんだろう。
●ジュニアたちから学んだこと
これらの素晴らしく貴重な経験から、ありがたいことに、私は多くのことを学ばせて頂いた。
特に技術面に関しては、いろいろなことの検証が出来たような気がする。
その一つを挙げると、やはりスイング技術が目指す完成形というのはレスリングや柔道が体重別に行なわれるように、プレーするコースが要求するディスタンスやスケールによって、それぞれ違うということだ。
ジュニアや女子プロゴルファーに多く見られる、シャットフェースで飛ばすタイプ(宮里藍プロが代表と言っていいだろう)のスイング構成は、男子トップアマや男子プロの階級(目安としてはヘッドスピードが48m/sを越えるあたりから)になると、かなり技術の幅が狭くなってしまうのは明らかだと思う。ジュニアゴルフ大会を見ていても、シャットフェースの功罪を考えさせられる選手を多く眼にした。
とはいえ、多くのアマチュアゴルファーにおいては、クラブフェースが開いてしまう事がゴルフ上達を妨げているのも事実である。とりあえずゴルフ上達の道のり的には、クラブフェースを閉じて使うというのが第一関門になっているのは間違いない。
●新しい試み
13日の夜、オーストラリアに向け出発するのだが、今回のウインターキャンプにおいては特別プログラムによるプロゴルファーの参加もあるので、これらのことをさらに深く追求して行きたいと感じているところだ。
特に今回のキャンプからは、「cSWING(シー・スイング)」というスイング解析ソフトをレッスンに導入するので、フェースコントロールやからだの動き・クラブの動きなどに関し、また新しいノウハウが産まれるかもしれないという期待感がある。
さらに今回のキャンプでは北野・武田プロが渡豪するだけでなく、それに続く若いインストラクターも2名ほどジョイントするのだ。
私を含め総勢5名のチームが出来るわけだが、面白い事にそれぞれのキャラクターは皆違うので、生徒さんの側から見ても飽きない面々が揃ったと言えるだろう。若い2名も昨年はそれぞれJGTOツアーのQTで2nd・3rdまでコマを進めている選手なので、プレーヤーとしても将来が嘱望される。またそこに特別キャンプ枠のプロも加わるので、今回のオーストラリアでは非常に濃い時間が作れそうだ。
●目に見えるものと、見えないもの
また個人的にも、我々のホームグラウンドである「スポーツスーパーセンター」の素晴らしい環境の中で、「からだ」と向き合う時間が作れるというのも楽しみだ。
今回のジュニアとの触れあいを通じ、「からだ」というのは生理学的な身体の成長・発達より、はるかに早い段階で作られるというのを感じた。これは眼では見えない部分の働きによるものであり、先日週間ゴルフダイジェストで横田真一プロと対談した運動科学研究所所長の高岡英夫先生が「身体意識」と定義されているものと同質だ。
ここ数年、我々は「眼で見えないもの」をいかにして伝えるかというノウハウの研究に邁進してきた。これは「眼で見えるもの」の解説や評論に終始する、他のゴルフインストラクターたちへのアンチテーゼでもあった。
しかし2005年を迎え、ジュニアゴルファーからのインスパイアと「cSWING(シー・スイング)」という「眼で見えるもの」を解析する新たなツールを手にし、最近話題の4軸シャフトではないが縦・横・斜めの編み上げが、ウィンターキャンプが行なわれるオーストラリアの地でひとつの形になろうとしているという手応えを感じるのである。
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